羽衣TODAY

「海外研修論」に外務省 国際協力局 政策課の田上椋氏をお招きし、ODA出前講座を実施しました。



2025年7月15日(火)3限目の「海外研修論」に外務省国際協力局政策課の外務事務官・田上椋氏を講師としてお招きし、「日本の開発協力」をテーマに、ODAの概要や具体的な事例、最近の動向などについてご講義いただきました。

はじめに、開発途上国が抱える課題について、クイズ形式で楽しく学びながら理解を深めました。

その後、日本が行っている支援の種類や特徴、ODAの歴史や成果について、カンボジア、インド、ブータン、モロッコなどの具体例を交えて解説。さらに、現在開催中の2025年大阪・関西万博におけるJICAが出展支援をしたパビリオンなどについても紹介くださいました。

講義の中盤では、「なぜODAが必要なのか?」という問いをもとに、グループディスカッションを実施。学生たちは、自分の考えを積極的に発表しました。田上氏は、ODAをはじめとする日本の開発協力は「国際社会の平和と繁栄」と「日本の国益」の両方に貢献していると解説。学生たちは熱心に耳を傾けていました。

近年のODAを取り巻く状況についてもお話しくださいました。グローバルサウスとの関係構築がより一層重要になっている中で、ODAの戦略的・効率的な活用や、民間資金を含め多様なアクターとの連携が求められているとのこと。「開発協力大綱」の改定やオファー型協力により、日本の強みを活かした支援メニューを積極的に途上国に提案し、「共創」によって相互に課題を解決していこうとしているそうです。また、JICA法の改正により、民間資金の活用促進や、国内外の課題解決力をもつパートナーとの連携強化を目指しているそうです。

講義の最後には、昨年大学を卒業されたばかりの田上氏から、在学生へのアドバイスとして、「大学にいる間に、さまざまなことに没頭してみてください。きっと自分のやりたいことが見つかるはずですし、それが将来の貴重な経験になります」と温かいメッセージが送られました。

授業後、学生たちからは「ODAの現場で働いてる人から直接お話を聞くことができとてもわかりやすかった」「否定的な意見を持っていたが、詳細を聞くことで全てが悪いことではないと思った」「ODAがより身近になった」「本当に貧しい国を救えるのか疑問だったが、講義を聞いて考えが変わった」「海外に自分で実際に行き、誰かの役に立ちたいと思うようになった」「国際協力をすることで日本が困った時に援助してもらえることに気づいた」等、たくさんの感想が寄せられました。

田上様、ご登壇いただきありがとうございました。