2024年7月17日・18日の2日間、「海外研修論」に外務省国際協力局政策課の永井美穂氏をお招きし、
「日本の開発協力」をテーマに、ODAの概要や日本の開発協力の事例、SDGsの達成状況等についてお話いただきました。
まず、世界に142か国・地域ある開発途上国が抱える問題についてクイズ形式で学びました。
続いて、日本が行っている支援の種類や特徴、日本のODAの歩み、日本の開発協力の実績等について、インド、カンボジア、中南米などの事例とともに解説頂きました。
日本の戦後の経済発展は、世界中の援助があって成し遂げられたとのこと。また、日本が援助を行う理由は、「豊かな国が貧しい国に手を差し伸べる」だけではなく、
日本と海外はお互いに助け合う存在であるそうです。開発協力は、国際社会の平和と繁栄と、日本の国益の双方の実現に貢献しているとの説明に、学生たちは熱心に聞き入っていました。
SDGsの達成状況についても学びました。2023年度は日本のスコアは、167か国中18位だそうです。
目標9(産業・イノベーション・インフラ)については高評価である一方、
目標5(ジェンダー)、目標12(生産・消費)、目標13(気候変動)、目標14(海洋資源)、目標15(陸上資源)については、まだ課題があることを学びました。
後半は、仮想の国「タコヤキ共和国」について、どんな支援ができるか、グループで議論しました。
タコヤキ共和国の特徴を踏まえ、現地の人々が困っていることは何か、どのような条件が望ましいか、日本の得意分野は何か、
その支援を日本国内に向けて効果的に発信するにはどうすればよいか、等についてそれぞれ真剣に意考え、意見交換しました。
最後に、永井氏がこの仕事に就いた理由についてお聞きしました。
自分の知らない世界に触れたい、色々な人と会ってみたいという想いから、この仕事に興味を持ったという永井氏。
2年間のマラウイへの赴任を経て、自分の中にある日本人としての誇りに気づき、日本人が安心して活躍できるような平和で安定した世界の実現に貢献したいとの想いを強くしたそうです。
授業後、学生からは、
「もっと国際協力について知り、身近に出来ることを見つけたい」
「日本は支援してばかりだと思っていたけど、国同士助け合っていた事を初めて知った」
「自分がどれだけありがたい生活をしているのか改めて感じた。最貧国という言葉が使われなくなるような全ての国が当たり前に水を飲んで学校に行って生活できるようになったらいいなと思った」
「大学生の間になんでもチャレンジしてほしいとのメッセージを聞いて、一歩踏み出してみようと思った」
「ODAのことだけではなく、キャリアのことにもつながる話があって、とても楽しかった」
「素敵なお仕事だなと感じた」
「日本が海外にどういったことを行っているのか、発展途上国に住まれてる方々はどういった生活をしているのか、知らない事が多くもっと勉強しなければならないと感じた」
「とてもわかりやすく興味をもった」
「外務省の人から直接講演を聴ける貴重な体験ができてよかった」
「ニュースを見てよく分からなかったことが分かりやすく説明されていて良かった」
「また永井先生のお話が聞きたい」等の声が聞かれました。
永井様、ご登壇いただきありがとうございました。