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渡瀬あゆみ氏(JICA国際協力出前講座講師/ベナン・野菜栽培)をお招きし、JICA海外協力隊の概要と活動内容ついてお話し頂きました。2023年1月15日

渡瀬あゆみ氏(JICA国際協力出前講座講師/ベナン・野菜栽培)をお招きし、JICA海外協力隊の概要と活動内容、ベナンでの暮らしや文化等についてお話し頂きました。

小さな頃から生き物が好きで、野生動物がたくさんいるアフリカに憧れ、サファリツアーに参加することが夢だったという渡瀬氏。
農業高校に進学後、タイに1カ月留学をしたことがきっかけで、途上国で働くことに興味を持ったそうです。大学は農学部に進学し、イネの勉強をしながら卒業後は海外での生活を計画されていました。
日本にはあまり馴染みのないベナン共和国ですが、最近ではプロバスケットボール選手の八村塁選手の父親のルーツとして話題となりました。

奴隷貿易を行っていた歴史があり、その後フランスに植民地化されました。
現在もベナンの公用語が フランス語であるのはそのためです。ウィダー海岸には、負の遺産である「不帰の門」が設置されており、
門には鎖でつながれた二列のアフリカ人のレリーフが刻まれています。

ベナンの住宅は土壁にトタン屋根で作られており、トイレ、シャワー、台所は外にあるそうです。水道のない家も多く、人々は井戸から水を運びます。
日本人は重い荷物を運ぶ際には背負うという方法をとりますが、ベナンを含むアフリカ人の多くは荷物を頭に乗せて運びます。

渡瀬氏はJICA海外協力隊として栄養面で現地の方を支える活動をされていました。中でもモリンガ・パウダーの普及活動に力をいれていたようです。
そのきっかけとなったのは、ベナンの5歳未満の栄養不良の発症率の高さです。
保健所は栄養不良の子どもを見つけだす身体測定やワクチンの接種のために、お母さんと子どもたちが集まる場となっており、ここで栄養指導もおこなわれていました。

ベナンの食事は、トウモロコシやキャッサバ、ヤム芋などの芋類を中心とした炭水化物が多く、
栄養面での不足を手軽に補うことのできるモリンガ・パウダーは乳幼児やその母体を健康面で支えることができ、且つ、地産できるという点で優れています。
モリンガはインドを中心とした南アジアの地域やアフリカ・南米などで栽培されていて、世界で「生命の木」や「奇跡の木」などと呼ばれて注目を集める素材であり、
最近では日本でも通信販売やサプリメントなどの専門店などで、加工品を見かけるようになりました。

開発途上国というと実際に行ったことがない人からは先入観として「危険で閉鎖的」なイメージを先入観として持ちがちですが、
実際は貧しくとも陽気な人が多いので、むしろ途上国というと「明るい」イメージがあると渡瀬氏。
現在の夢は、現地の栄養改善に取り組みためにもう一度アフリカの地を踏み、粉末モリンガを混ぜたお菓子を小学校で販売するなどの活動をしたいと仰っていました。

学生からは「世界には自分と全く境遇が違う人が存在すると改めて感じた」「海外で人を助けることはかっこいい。将来仕事を決めるときの選択肢に入れたい」
「まず自分ができることを見つけようと思った」「モリンガについてもっと詳しくしりたい」等のコメントが寄せられ、たくさんの学生の胸に響くお話だったようです。

学生に貴重なお話をしていただき、誠にありがとうございました。


きみの可能性を、見逃さない。
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