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羽衣国際大学

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HAGOROMO TODAY

人間生活学科専門科目「生活と環境」にゲストスピーカーをお招きしました2020年12月11日

2020年12月10日、人間生活学科専門科目「生活と環境」のゲストスピーカーとして、NPO法人自立生活センター・リアライズの生活介護パイオニア※1から、代表の辻田奈々子氏と他2名の当事者の方、3名のヘルパーの方をお招きし、講義をしていただきました。

講義では、当事者の方に、具体的な地域活動の様子とともに、生活体験談を語って頂きました。

当事者であるN氏は、特別支援学校卒業後に入居した施設での12年間の生活では、決められた日課、外出制限等や虐待だと感じる側面もあったことから、自分の思い描いた自立生活とは違うと悩んでいました。

そのような時に、参加したイベントでリアライズの方と出会い、それがきっかけで自立生活をすることを決意して退所。

その後、一人暮らしを始めて1年余り、その過程での体験を語られました。

自立生活を通じて、ご飯の炊き方や洗濯機の使い方などがわからないことに直面し、これまでは誰かがやってくれることが当たり前の生活の中で、多くのことを経験できずにいたのを実感していると話されました。

また外出、旅行の経験も少なく、例えば日本地図など基礎な知識が修得できていないことなどが話題になりました。

障害があるということで、『実生活のなかで学ぶ機会』が奪われていることを知れる貴重な講演となりました。

※1 生活介護パイオニアは、地域に密着した活動をし、障害者にとって暮らしやすい地域に変えることを目的としています。すでに自立生活を送っている障害者、または、目指している障害者が中心となって、自分たちの権利を守るための活動、地域との交流を目的とした活動、バリアフリーの推進のための活動など、『障害があるからこそ出来る活動』に積極的に取り組み、障害者と健常者が共に生きる地域を実現するための活動を行っています。


《受講生の感想》

■ 障害のある人が自由な生活を送るために、市中の環境と、介護従事者の障害者に対する理解・経験が重要だと感じました。学校などで学び、お互いのことを知ることが重要だと思いました。

■ 障害者の人もやりたい事などがあり、それをサポートしているのがリアライズなんだなと感じました。たくさんの活動内容や深い話が聞けてすごく良かったと思いました。ヘルパーについて詳しく学んでみたいと思いました。

■ 障害者の方々の話はとても心に刺さりました。入所施設がそんなに当事者を苦しめているとは思いませんでした。職員の人たちが障害者虐待をしていると知って、もう少し障害者の気持ちを考えてあげることが私たち健常者の役割ではないかと思いました。私の父親も(福祉・教育関係の資格を取り)会社を立ち上げ開業しているので、私は障害者の方と会うことが他の方より多いと思いますから、関わる時に今日の話を思い出しながら、過ごしたいと思います。

■ 泉大津市のお店にスロープをつけてもらう為に募金活動をしていて、たくさんの人が参加していて、誰もが住みやすい街になっていけばいいと思いました。日々バリアフリーなどに対して活動してくれている人がいるからこそ、私達が住みやすくなっているのだと感じました。

■ リアライズさんは2年連続で羽衣の大学祭に模擬店出店として参加していただいて、私は担当だったので、大学準備~当日までの期間中関わっていました。どのような団体なのかは事前に調べていて知っていました。障がい者の方は、施設で暮らすのが一番楽なのかと思っていましたが、自立したい、一人暮らしがしたいと望む人がいて、健常者がこう暮らすべきと決めつけるのはいけないなと感じました。

■ 障害者でない人が、障害者の方々と一緒になって活動していくのを知ってすごく大事なことだなと感じました。飲食店など自分達は普通に入れる場所でも車イスの人たちは段差があるだけで諦めることが多くあるみたいなので、段差のある飲食店にはスロープなどを付ける取り組みが増えていけばいいなと感じました。Nさんの話を聞いて、サポートしている側の人が障害者の人に対して暴言や時間合わせをするのではなく、障害者の人に合わせた考えを持って行うことが大事だなと感じました。

きみの可能性を、見逃さない。
羽衣国際大学


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