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羽衣国際大学

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HAGOROMO TODAY

【卒業生インタビュー】アニメーション企画制作会社勤務 長谷川真衣さん2016年4月30日

エンドロールに名前ののる仕事がしたい。その思いで卒業後に、アニメーション制作の世界へとび込んだ長谷川さん。

お仕事のことや学生時代の思い出についてお伺いしました。

長谷川 真衣 さん
現代社会学部 放送・メディア映像学科 2015年3月卒業
株式会社ぴえろ勤務

どうしてアニメーション制作の道へ
小さいころからエンドロールに名前がのる仕事がしたいと考えていました。在学中は、テレビ番組制作会社への進路も考えましたが、もともと好きだったアニメーションに関わりたかったので、アニメーション制作会社を選択しました。

現在のお仕事について教えてください。
株式会社ぴえろで、設定制作を担当しています。アニメーションにおける設定(キャラクターデザインから美術、小物、色まで)をデザイナー(キャラクターデザイナー、アニメーターなど)に発注し、監督や原作者と固めていくことが主な業務です。テレビシリーズであれば1クール(12話)すべての設定を、スケジュールに沿って監督やアニメーターとやり取りしていきます。

設定制作という仕事上、打ち合わせが多く、1話ごとの内容を決める打ち合わせなどは長時間に渡ることもあります。

制作進行を担当した際は、1話のエピソードでおよそ20名〜30名のアニメーターが関わり、アニメーターとの連絡や調整を一手に引き受けました。アニメーターは自分と同年代の方から、70代のベテランの方までいて、個性も様々。アニメーターごとの細やかな対応や気配りが必要です。

お仕事で大変なところは?
制作進行は1話につき1名が担当するため、完成するまで1人でチームを回していくことが求められます。私も、入社後すぐに打ち合わせに参加し、1ヶ月後にはテレビシリーズの設定制作としてチームに参加して、最終話の半パートを制作進行として担当しました。先輩方はもちろん丁寧に教えてくださいますが、「やってみないとわからないよ」というアドバイス通り、この1年間は仕事を通じて仕事を覚えました。

また、美術やキャラクターデザインに発注した設定が1回でOKとなることはほとんど無く、リテイクを重ねる際に、監督の意向や指示を的確に伝えるという難しさがあります。

やりがいを感じるところは?
ぴえろでは、新人であっても早い段階から信頼して任せてもらえるところです。制作スケジュールを考慮しながら、監督と直接やり取りしてデザイナーに発注するなど、自ら判断して行動する場面も多く、早い段階から責任が生まれる環境があります。

打ち合わせで意見を求められることも多く、自分の意見が作品に反映されることもあります。上司から「企画を出してみたら?」という提案を頂くこともあり、失敗を恐れずにチャレンジさせてもらえるところにもやりがいを感じています。

お仕事で心がけていることはありますか?
アニメーション制作はチームで行うので、監督や演出、アニメーターとの信頼関係が大切です。アニメータとのやり取りでは、雑談を交えて話しやすい雰囲気づくりを心がけ、交流の中でアニメーターに信頼の気持ちを伝えるようにしています。年齢が上の方であっても、失礼のない範囲でフランクに話しかけ、関係を構築しています。

発注後や監督、演出の確認待ちで、待ち時間が長いのもこの仕事の特徴なのですが、待ち時間にはコンテを読み、他の作品を見て演出方法を学ぶなど時間を有効に使うようにしています。仕事を始めてからは、アニメーションを見ていても、設定が目に付くようになりました。以前に比べ、エンドロールをしっかりと見て、どんなスタッフや制作会社が関わっているのかを確認するようになりました。

大学の経験で役に立っていることはありますか?
授業で学んだPhotoshopは資料作りで多用しているので、在学中に修得していてよかったと思います。また、在学中にオーストラリアで2週間の海外研修に参加しましたが、その時の経験が設定やアニメーターとの雑談の話題として生かされています。

アニメーション業界志望の後輩にアドバイスを。
設定制作という仕事は、全話数に丸ごと関われるので完成したときの達成感が大きいです。制作は、大変ですが楽しい現場。楽観的で、遊びがある人が向いていると思います。やってみないとわからないことが多いので、まずはとび込んでみることをお勧めします。

アニメーションは現在、作品数も膨大で、設定も様々です。資料作りのために、料理の写真を膨大に集めたり、イメージに合う路地裏を探してロケハンしたりとフットワークの軽さとあらゆる事柄へアンテナをはっていることが求められます。アニメーション制作に関わりたいなら、学生時代には、積極的に外にとび出して、いろいろな経験を積み、エッジの立った人になってください。

「関わった作品へのファンの意見や感想も嬉しいけど、制作中に社内の動画担当者とスケジュールを細かくやり取りしたことで、一緒に仕事をする仲間から対面で感謝されたことがとても嬉しかった」と話してくれた長谷川さん。周囲の先輩方にあたたかく支えられながら、仕事を楽しんでいる様子がインタビュー中も伝わってきました。

取材にご協力いただきました、株式会社ぴえろ様に深く感謝申し上げます。

総合企画室 企画広報グループ

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